ペッパー君は今どこに?【AIの歴史】

世界初の感情認識人型ロボット

Pepper(ペッパーくん)という人型ロボットをご存じでしょうか。

9年前の2014年6月5日に発売開始となった感情を認識する人型のロボットで、大きさは小学校低学年の平均身長と同じくらいの121cmです。ソフトバンクから発売された当初は、Appleストアなどで見かけることもありましたね。

絶頂期には約20万円ほどするペッパーくんが売り切れを連発する注目度を誇り、ショッピングモールでのイベントや店頭受付にいることもよく見かけるようになっていました。

2015年に開発者向けの先行モデル300台、一般向けモデル計7,000台を発売し、すべて受付開始1分で完売。累計販売台数は2万台以上。

 

世界が変えるロボットの登場!だったが...?

ペッパーくんの登場は某ネコ型ロボットを想像させる一大ニュースとりましたが、当時のペッパーくんに搭載されているAIは「まあまだこんなもんだよな」感はどうしても拭えないことは否めなかった事実があります。

これは「人間の感情を認識する人型ロボット」という話題が広まり過ぎて、世界初の最先端技術ではあったものの、人々の期待が大きすぎたことも一因だと思います。

社長の思い付きで会社でペッパーくんを購入したが、思うようにコストメリットを出せず「ちゃんとペッパーくんを働かせろ!」と言われた担当者も少なくないのではないでしょうか。

 

そんなペッパーくんですが、現在はあまり見かけません。彼らはどこに行ってしまったのでしょうか。

実はペッパーくんはサブスクでの販売も多く、在庫として倉庫に帰ってきてしまっている実情があるようです。一部の店頭での呼び込みや教育用機材として活躍はまだされているようですが、以前の輝きは失われてしまっています。

 

ペッパーくんは今どこでなにを?

大きな話題となったが、長続きしなかったペッパーくん。ただ、それでもペッパーくんは進化を続けました。内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室から「コロナ対策サポーター」にも任命されるなど、人と人の接触を避けるべき場所で人型ロボットはとても適した活躍の場だったのですね。

また、ペッパーくんを販売したソフトバンクロボティクスは兄弟を生み出していました。掃除ロボット配膳ロボットなどが開発され、少なくない現場で活躍をしています。大きな施設をロボットがうろついている様子や、飲食店の配膳で人ではなく配膳台が食事を運んできた経験はございませんか?

 

人手不足の現代日本において、こうしたロボットの登場は大きな助けとなっています。

 

ドラえもんは現れるのか?

海外の配信者が、過去の自身の配信をAIに学習させて、自分のクローンを作り、1分〇〇円!という対話サービスが人気になったとニュースを見たことがあります。人気配信者ともなれば、AIで作られたクローンであっても会話してみたいと思う人は多く存在していた証拠ですね。

例えば何かの成功者や有名カウンセラーなどの思考をAIに学習インプットさせられることができれば、単純な会話相手以外にも相談相手やアドバイザーとして活躍できる可能性を秘めていると思います。

もちろん人と人が顔を合わせて会話をすることが不要になるものではありません。しかし、関係性のある人間には相談できない内容や、ただ愚痴を聞いてほしいだとか「人でないことが良い」とするものも少なくないと思います。

家にいるときは愚痴を聞いたりする相手になり、外出時には家事を行ってくれるロボットがいたら面白いかもしれません。

もしかしたらこうしたサービスが発展し、対話できるロボットないしはAIが発売される未来は遠くないのかもしれませんね。